授業概要/Course Description
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実一変数関数で周期をもつものとして三角関数があり、それは実一変数関数の花形的存在であった。この講義で学ぶのは、複素関数で2重周期を持つ関数で、楕円関数と呼ばれるものである。三角関数が円周上の関数と思えることの類似で、楕円関数は、複素トーラスというドーナツの表面上の関数と思える。楕円関数は、歴史に名を残すガウス、アーベル、ヤコビ、ワイエルシュトラスといった数学者たちの深い研究に始まって、現在に至るまで様々な方向からさらに深く研究されてきた。この講義では、この楕円関数の豊かな理論の一端を、特に、複素トーラスや3次曲線との関係に重きをおいて説明する。
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到達目標/Course Objectives
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講義内容の復習と自習を繰り返すことで、楕円関数が、複素関数論にとどまらず、複素トーラスという幾何学的な対象と深く結びついて、生き生きと記述される様子を味わうこと。
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授業内容/Schedule
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実施回/Week
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内容/Contents
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第1回
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楕円関数と複素トーラス
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第2回
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楕円関数の零点と極
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第3回
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ワイエルシュトラスのP関数(位数2の楕円関数の有名な例)
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第4回
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3次曲線の基本性質
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第5回
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P関数による複素トーラスと3次曲線の関係づけ
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第6回
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P関数の加法公式
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第7回
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他の楕円関数をP関数で代数的に表すには?(楕円関数体の話)
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第8回
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テータ関数
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第9回
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指標付きテータ関数
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第10回
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ハイゼンベルグ群
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第11回
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テータ関数による複素トーラスの射影空間への埋め込みその1
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第12回
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テータ関数による複素トーラスの射影空間への埋め込みその2
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第13回
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複素トーラスの分類その1
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第14回
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複素トーラスの分類その2
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第15回
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理解度の確認
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授業計画コメント/Comments on the Schedule
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講義の説明は、流れを重視するため、時に概略にとどめるところがあるかもしれない。それで十分と思えばそれでも良いし、概略では内容を味わうのに十分でないと思う人は、教科書を参照するなどして、積極的に自習してほしい。
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授業方法/Teaching Method
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使用言語/Language of Instruction
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日本語/Japanese
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1
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英語/English
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日本語・英語以外/Other Language
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準備学習 (予習・復習)/Class preparation and review
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2年生の必修科目である「複素関数入門」の内容をよく復習しておくこと。特にコーシーの積分定理、留数計算、べき級数展開など(ただし、その内容を、この講義でも適宜補足する)。
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成績評価の 方法・基準/Evaluation
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評価項目/Criteria
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評価配分(%)/Percentage
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備考 / Remarks
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学期末試験(第1学期)/First Term examination
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学年末試験(第2学期)/Second Term examination
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中間テスト/Mid-term examination
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レポート/Reports
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100
%
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主に講義の確認問題を出題する。中間と期末の2回
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小テスト/Quizzes
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平常点(出席、クラス参加、グループ作業の成果等)/Particlpation, Attendance, Group Work, etc.
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その他(備考欄を参照)/Other(see remarks column)
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成績評価コメント 各目標についてどのような点が評価のポイントになるか、具体的に記入してください。/General Comments on the Evaluation Criteria:
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課題等(試験やレポート等)に対するフィードバック/Feedback on Exams or Assignments
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レポート提出は中間と学期末の2回に限るが、出題は学期中に細目に行う。学期中にレポートについての質問を歓迎する。もちろん、レポートの答えを教えることはしないが、必要に応じてヒントを与えたりする。
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教科書/Textbook
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1.
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書籍名/Title
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シリーズ名/Name of series
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著作者/Author
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『楕円関数論 増補新装版: 楕円曲線の解析学 』
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梅村浩
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出版元/Publisher
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版/Edition
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出版年/Year
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ISBN
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東大出版会
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教科書コメント/General Comments on the Textbooks
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授業で使用するのは、第1、2章と3章の一部である。概ね、それに沿って説明する。
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参考文献/Reference Book
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参考文献コメント/General Comments on the Reference Books
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履修上の注意/A Note on Registration
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レポート作成のため、聴講者同士で勉強しあうのはとてもよいことですが、最後、いざ、レポートを作成する段階では、必ず自分一人で行ってください。毎年、レポート内容が酷似している人が後を絶ちません。特に、まったくの誤りであるレポート内容を、誤りであることに全く気付かず写したと思われるレポートを見ると、とても残念な気持ちになります。どうか、レポートの作成は最後は自分ひとりの力で丁寧に時間をかけて行ってください。
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その他/Other Information
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数学の豊かな世界を味わいたいという人の履修を歓迎します。味わうためにはそれなりに講義の予習復習に時間が必要ですから、単に単位を取得したいという人には不向きと言えます。レポート2回だけ提出すれば単位が取れるしラクだから履修するという考え方の人は、ご遠慮願います。
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カリキュラムマップ/Curriculum map
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