授業概要/Course Description
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1年生の線形代数の講義では、行列と線形写像という2つの新しい概念が導入された。これらは表裏一体のものである。というのは、行列が与えられれば、それは線形写像を定めるし、逆に線形写像が与えられれば、それは行列を用いて理解できる。この講義は、まず、この行列と線形写像の対応の復習をすることから始まる。 線形代数の究極の目的は、線形写像をよりよく理解することである。より詳しくいえば、線形空間のうまい基底を選ぶことで、線形写像を記述する行列が簡単な形(行列の標準形と呼ばれる)になるようにすることである。この講義では、もっぱら、線形写像のうち、定義域と値域が一致している線形変換を扱う。線形変換を定める行列の標準形を求める方法の1つが、行列の対角化である。これは、すでに、1年生時に学んだように、固有値、固有ベクトルを使うことでできるのだった。この講義で次に復習するのがこの考え方である。 しかし、線形変換を定める行列がいつでも対角化できるわけではない。行列の万能な標準形の1つがジョルダン標準形である。この講義の最終部分でジョルダン標準形について詳しく説明する。実は、ジョルダン標準形がたまたま対角行列になるというのが、行列が対角化できるということに他ならないので、行列の対角化はジョルダン標準形の理論に含まれているのである。
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到達目標/Course Objectives
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線形空間、線形写像の概念を思い出し、理解を深めること。 固有値、固有ベクトル、行列の対角化を思い出し、理解を深めること。 ジョルダン標準形の理論を理解し、特に、ジョルダン標準形を不自由なく求められるようになること。
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授業内容/Schedule
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実施回/Week
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内容/Contents
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第1回
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線形空間と線形写像(復習)
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第2回
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線形写像の表現行列と基底の取り換えによるその変化(復習)
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第3回
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固有値、固有ベクトル(復習)
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第4回
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固有空間への直和分解可能性(復習)
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第5回
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ケーリー・ハミルトンの定理、行列、線形写像の最小多項式
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第6回
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最小多項式の応用
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第7回
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ジョルダン標準形とは?
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第8回
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中間の理解度の確認
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第9回
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ジョルダン標準形の求め方
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第10回
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ジョルダン標準形の存在定理の証明1
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第11回
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ジョルダン標準形の存在定理の証明2
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第12回
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ジョルダン標準形の存在定理の証明3
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第13回
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ジョルダン分解1
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第14回
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ジョルダン分解2
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第15回
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理解度の確認
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授業計画コメント/Comments on the Schedule
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授業方法/Teaching Method
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使用言語/Language of Instruction
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日本語/Japanese
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英語/English
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日本語・英語以外/Other Language
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準備学習 (予習・復習)/Class preparation and review
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1年生の線形代数の内容をよく復習しておくこと。特に、線形空間(ベクトル空間)、線形写像の表現行列、固有値と固有ベクトルについては、本講義で非常に重要です。もちろん、適宜、補足しますが、それほど丁寧に復習する時間的余裕がありませんので、事前に復習しておくのが望ましいです。もし、昨年度使用した講義ノートや資料が事前予習のために欲しい場合は、私まで連絡をください。
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成績評価の 方法・基準/Evaluation
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評価項目/Criteria
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評価配分(%)/Percentage
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備考 / Remarks
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学期末試験(第1学期)/First Term examination
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60
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講義内容を参考に出題する。
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学年末試験(第2学期)/Second Term examination
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中間テスト/Mid-term examination
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40
%
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講義内容を参考に出題する。
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レポート/Reports
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小テスト/Quizzes
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平常点(出席、クラス参加、グループ作業の成果等)/Particlpation, Attendance, Group Work, etc.
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その他(備考欄を参照)/Other(see remarks column)
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成績評価コメント 各目標についてどのような点が評価のポイントになるか、具体的に記入してください。/General Comments on the Evaluation Criteria:
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課題等(試験やレポート等)に対するフィードバック/Feedback on Exams or Assignments
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教科書/Textbook
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教科書コメント/General Comments on the Textbooks
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教科書は使用しません。自主作成した講義ノートを使用します。履修を検討の段階で、この講義ノートが欲しい場合は、私まで連絡ください。昨年度のバージョンをお送りします。
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参考文献/Reference Book
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参考文献コメント/General Comments on the Reference Books
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履修上の注意/A Note on Registration
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その他/Other Information
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今回の講義内容は、線形代数の中では、発展的な部分にあたりますが、大学の数学で線形代数は基礎分野として位置づけられます。せっかく、数学科に入ったからには、基礎は修得して卒業してほしい。それに、線形代数は、Googleのページランキングに応用されるなど、実社会への応用も多いので、皆さんが働くようになって役立つ可能性がある数学の1つだと思います。というわけで、皆さんの積極的な履修を要望します。
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カリキュラムマップ/Curriculum map
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