授業概要/Course Description
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代数学を学ぶ準備として、合同式の理論に基いた初等整数論を講義する。小中学校で学んだ最大公約数、最小公倍数、素数などの概念の精密な定義からはじめ、合同式の導入、1次合同式の解法、中国の剰余定理、剰余類、既約剰余類、フェルマー・オイラーの定理、平方剰余と2次合同式について詳述する。また、離散対数問題と暗号システムについて解説する。整数の合同に関する諸性質は、剰余類環を通してはじめて明確に理解される。剰余類環は、代数学だけでなく数学全般の様々な場面に現れる「商構造」の最も簡単な例とみることができるが、これに習熟することで代数学の入門と位置付けたい。
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到達目標/Course Objectives
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整数の整除関係を合同式を通して理解し、応用できるようになる。 剰余類環の構造から整数論の様々な性質が導かれることを理解し、商構造の扱いに慣れるようになる。 プログラミング等の実用的な場面において、整数論が問題解決の手段となり得ることを理解し、実践できるようになる。
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授業内容/Schedule
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実施回/Week
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内容/Contents
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第1回
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導入~整数論の歴史、未解決問題
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第2回
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整除関係、割り算の定理、ユークリッドの互除法
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第3回
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最小値原理と数学的帰納法
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第4回
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「素」と「既約」、素因数分解の一意性
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第5回
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整数の合同
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第6回
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1次合同式の解法
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第7回
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剰余類と剰余類環
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第8回
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中国の剰余定理
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第9回
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既約剰余類、オイラー関数
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第10回
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フェルマー・オイラーの定理
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第11回
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位数、逆元、零因子
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第12回
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離散対数問題と暗号システム
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第13回
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2次合同式と平方剰余
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第14回
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平方剰余の相互法則
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第15回
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理解度の確認
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授業計画コメント/Comments on the Schedule
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以上は、火曜日1時限の講義の内容である。 木曜日3時限は原則として講義の内容に即した演習を行う。
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授業方法/Teaching Method
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授業方法(対面授業の場合) / Teaching Method (face-to-face lessons)
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講義および演習
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授業方法(遠隔授業の場合) / Teaching Method (online lessons)
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WebClass によるオンデマンド授業
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使用言語/Language of Instruction
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日本語/Japanese
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1
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英語/English
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日本語・英語以外/Other Language
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準備学習 (予習・復習)/Class preparation and review
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講義の後では復習を欠かさず、また指示に応じて予習をすること。演習は必ず自力で解くこと(計2時間程度)。
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成績評価の 方法・基準/Evaluation
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評価項目/Criteria
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評価配分(%)/Percentage
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備考(対面形式の成績評価が実施できない場合の代替手段等) / Remarks (alternative methods, in case grading and evaluation in face-to-face format not possible)
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学期末試験(第1学期)/First Term examination
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65
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まとめのレポート問題
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学年末試験(第2学期)/Second Term examination
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中間テスト/Mid-term examination
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レポート/Reports
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25
%
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小テスト/Quizzes
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平常点(出席、クラス参加、グループ作業の成果等)/Particlpation, Attendance, Group Work, etc.
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10
%
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その他(備考欄を参照)/Other(see remarks column)
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成績評価コメント 各目標についてどのような点が評価のポイントになるか、具体的に記入してください。/General Comments on the Evaluation Criteria:
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(1)初等整数論の諸概念を論理的に把握できているか、(2)合同式が使いこなせているか、(3)剰余環の意味を理解し、応用することができるか、の三段階を評価のポイントとする。
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課題等(試験やレポート等)に対するフィードバック/Feedback on Exams or Assignments
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教科書/Textbook
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教科書コメント/General Comments on the Textbooks
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ホームページ上のテキストを教科書として用いる(ホームページのURLは最初の講義までにアナウンスする)。
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参考文献/Reference Book
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1.
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書籍名/Title
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シリーズ名/Name of series
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著作者/Author
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『代数と数論の基礎』
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共立講座21世紀の数学
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中島 匠一
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出版元/Publisher
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版/Edition
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出版年/Year
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ISBN
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共立出版
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2000
年
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9784320015616
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参考文献コメント/General Comments on the Reference Books
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履修上の注意/A Note on Registration
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その他/Other Information
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1年生で学んだ線形代数や微積分学の内容を仮定する。また、集合と論理(特に、全射、単射などの写像の基本性質、同値関係と同値類)の知識も仮定する。これらをよく復習しておくこと。
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カリキュラムマップ/Curriculum map
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